つみたて投資枠(旧つみたてNISA)は任意のタイミングで引き出し可能!売却前に知っておきたいこと
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)は、任意のタイミングで売却し、現金として引き出しできます。保有している商品をすべて引き出すことも、必要な分だけ引き出すことも可能です。
ただし、すべて引き出したり引き出す回数が多かったりすると、資産が増えるペースが遅くなる可能性があります。
本記事では、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)を引き出す方法や、デメリット・注意点、引き出すタイミングを解説します。効率的に資産を形成するためにも、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の引き出しを理解しておきましょう。
- つみたて投資枠(旧つみたてNISA)は好きなタイミングで引き出しできる
- つみたて投資枠(旧つみたてNISA)を引き出すと複利効果がなくなる、または薄くなる
- 目標金額を決めたり貯蓄と投資を使い分けたりして、引き出ししなくて済むように運用するとよい
目次
OPENつみたて投資枠(旧つみたてNISA)の引き出しは好きなタイミングでできる
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)は、好きなタイミングで引き出しできます。
NISAにおける「引き出し」とは、保有している商品を売却して現金にすることです。
複数の商品を保有している場合は売却する商品を選んで売却でき、保有しているすべての商品を売却することも、保有商品の一部を売却することも可能です。
売却に回数制限はないため、現金が必要になった場合に臨機応変に対応できます。
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)を引き出す前に知っておきたいこと
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)を引き出す前に、知っておきたいことがあります。
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)は、好きなタイミングで好きな金額(または口数)を引き出せます。しかし、引き出しが適切でない場合もあるので即断せずに、よく考えて引き出しましょう。
つみたて投資は長期的な運用が前提である
つみたて投資は、長い時間をかけてコツコツと資産を形成することを目的とした投資手法です。10年、20年と長期的に運用するほど複利効果が得られ、資産を増やせる可能性が高くなります。
複利効果とは、運用で得られた利益が元本に組み込まれて再投資されることにより、その合計金額に対する利益が得られることです。たとえば、元本100万円に対して1年目に10万円の利益を得た場合、次の年は利益を合算した110万円に対して利益がつきます。複利効果により、運用する年数が長くなるほど資産を増やせる可能性があります。
つみたて投資は、引き出さなければ、引き続き複利効果が得られ、さらに資産を積み上げられる可能性が高いです。
「数年積み立てたものの、大きな利益が出ない」といった理由で引き出したい場合は、今引き出すべきかをもう一度よく検討することが大切です。
どうしてもお金が必要になった場合は、必要な金額のみ引き出すとよいでしょう。
引き出すタイミングによっては損をする可能性がある
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)を引き出すタイミングによっては、損をする可能性があります。
投資信託の基準価額は日々変動しているため、売却するタイミングによっては、引き出した金額が投資した金額を下回る場合があります。
積み立てを開始してからの年数が浅いと、元本割れの可能性が高いとのデータもあります。引き出すタイミングは見極めが重要です。
手続きから現金化まで1週間程度かかる
売却手続後、すぐに口座に現金が入るわけではないことを念頭に置いておきましょう。
売却する商品によっても異なりますが、売却分のお金が入金されるまでは1週間程度かかります。
急な出費でお金が必要な場合は、引き出しまでにかかる時間をあらかじめ考慮しましょう。
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)を引き出すデメリット
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)を短期間で引き出すと、得られる複利効果がなくなる、または薄くなる可能性があります。
NISA制度が大幅に拡充されたことにより、より長期的な運用ができるようになりました。
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)では、30年、40年と超長期的な運用ができます。つみたてNISAよりも長期的に運用ができ、資産をより多く増やせる可能性があります。
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の効果を最大限活かすには、短期間で引き出すことのないよう、余剰資金で投資・運用を続けることが大切です。どうしても現金が必要な場合を除き、NISAは引き出さずに定期的に長期で積立を続けていきましょう。
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監修者コメント
投資信託は基準価額が上がるときもあれば下がるときもあります。日々の値動きに一喜一憂せず、粘り強く運用を継続することが大切です。
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の引き出しは手数料が無料
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)は、購入した商品を引き出す際の手数料はかかりません。
引き出す回数の制限もないため、必要に応じて都度売却しても、手数料で損をすることはないでしょう。
信託財産留保額がかかる商品もある
保有している商品によっては、信託財産留保額がかかる場合があります。
信託財産留保額とは、投資信託の換金時に投資家が支払う費用のことです。信託財産留保額がかかる場合は、基準価額に対して一定の割合が差し引かれます。
信託財産留保額の有無やかかる費用は、目論見書(投資信託の説明書)で調べられるため、購入前に確認しておきましょう。
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)はどのタイミングで引き出す?
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)を引き出すタイミングとして考えられるのは、次のとおりです。
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)は、長く運用するほど大きな複利効果が期待できます。短期間で引き出さず、なるべく長く運用することを心がけるとよいでしょう。
ただし、絶対に引き出してはいけないわけではありません。「いつ引き出すべきか」「今引き出してもいいか」と悩むときは、ここで紹介するポイントを参考にしてください。
目標金額を達成した
「利益が500万円になった」「資産が1,000万円に到達した」など、目標としていた金額を達成したときは、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)を引き出すタイミングとして好ましいです。
目標金額を決めておけば、目標金額に近づくために日頃から節約を心がけたり、資産状況を確認する癖がついたりと、投資へのモチベーションを高く維持できるでしょう。
目標金額に達していても、使う目的がなければ、そのまま運用しても問題ありません。次の目標に向けて、資産をさらに増やしていける可能性があります。
また、新NISAなら非課税保有限度額が復活します。売却して利益を確定させて、再投資するのもよいでしょう。
まとまった資金が必要になった
ライフステージが変わるタイミングで引き出すのも手段のひとつです。
ライフステージは常に変化し、子どもの入学や進学、留学、引っ越し、転勤、結婚、出産、マイホームや車の購入など、その都度まとまった資金が必要になります。
ただし、ライフステージが変わるたびに引き出すと、将来的に資産を形成するのが難しくなってしまう可能性があります。
つみたて投資で資産を形成するには、長い年月が必要です。また、投資には、投資した金額を下回ってしまう「元本割れリスク」もあり、引き出すタイミングによっては損失になることもあります。
ライフステージの変化に伴う資金は、貯蓄と投資をうまく使い分けましょう。つみたて投資枠(旧つみたてNISA)を無理に引き出すことなく、着実に資産を形成していける可能性が高まります。
急な出費があり現金が必要になった
何らかの理由でどうしても現金が必要になったときは、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の引き出しを検討しましょう。
保有している商品のすべてを売却して現金にすることもできますが、必要な分だけ引き出し、残りの資産は運用を続けるとよいでしょう。
なお、急いでお金が必要になった場合は、換金にかかる時間をあらかじめ確認してから売却手続きをする必要があります。売却手続きしてから現金を出金できるまで、一般的に1週間ほどかかります。「明日までにお金が必要」といった場合は、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の引き出しでは間に合わないため、他の手段を選択しなければなりません。
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)を引き出す方法
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)は、金融機関によっても異なりますが、店頭窓口またはスマートフォンやパソコンなどを使ってインターネット上で売却できます。
まず、取引金融機関でオンラインサービスを利用しているかを確認しましょう。取引が可能であれば、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)を引き出す方法は、次のとおりです。
- 投資信託の取引を選択
- 売却する商品を選択
- 売却する口数または金額を入力
- 売却を確定
後日、指定した口座に売却した金額分が振り込まれます。
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の解約方法
NISA口座は、解約してNISA口座での投資・運用を終了することもできます。
NISA口座の解約は、金融機関の店頭窓口にて手続きが可能です。原則として、手続きは本人が行い、通帳や届出印なども持参する必要があります。解約方法や手続きに必要なものは、金融機関によって異なるため、WEBサイトなどで確認するようにしましょう。
なお、生活を立て直すまでNISAを一時中断したい場合などは、積立金額を減らしたり、積立設定を一時停止したりすることもできます。
積み立てを停止しても、運用は続けられ、運用で得た利益には当然税金はかからず、複利効果も得られます。たとえNISA口座が空であっても、保有することに費用はかかりません。解約しても再開可能ですが、本当に解約するかはよく考えましょう。
つみたて投資(旧つみたてNISA)の相談はマネプラスへ
マネプラスでも、NISA口座を開設し、つみたて投資枠や成長投資枠を使った投資を始められます。
マネプラスのスマートフォンアプリ「京銀アプリ」を利用すれば、マネプラスへ来店しなくても、口座開設から取引まで完結します。つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の引き出しも、京銀アプリで取引可能です。
なお、NISAに関する不明点はもちろん、お金に関する相談をしたい場合は、マネプラスの「土・日ご相談プラザ」「土曜ご相談プラザ」をご活用ください。保険の見直しや相続、住宅の購入など無料で相談できます。
マネプラスのつみたて投資(旧つみたてNISA)で引き出す(売却する)方法
マネプラスのつみたて投資枠は、次の手順で売却の手続きができます。
- 売却画面を開く
(メインメニュー「取引」、サブメニュー「国内投資信託」→「投信注文」→「売る」) - 売却する単位(金額または口数)を入力する
- 「注文確認画面へ」を選択する
- 注文完了
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の引き出しに関するよくある質問
Q.つみたて投資枠(旧つみたてNISA)はいつ引き出すことができますか?
A.
任意のタイミングで売却し、現金として引き出せます。
ただし、売却注文後すぐに引き出せるわけではありません。商品によって異なりますが、売却手続きから口座に入金されるまで1週間程度かかります。
Q.つみたて投資枠(旧つみたてNISA)はどのタイミングで引き出すのがよいですか?
A.
必要になったタイミングで引き出せますが、目標を達成したタイミングや、ライフステージの変化によりまとまった資金が必要になったタイミングで引き出すのもよいでしょう。
すべての人にとってベストなタイミングはありません。資産状況や積立期間、目標金額など人それぞれです。
Q.つみたて投資枠(旧つみたてNISA)は一部だけ売却できますか?
A.
できます。
新NISAのつみたて投資枠なら、売却した分だけ非課税投資可能枠が復活するため、追加購入も可能です。
Q.つみたて投資枠(旧つみたてNISA)は解約できますか?
A.
金融機関の店頭窓口で解約手続きができます。手続方法や必要なものは金融機関によって異なるため、金融機関のWEBサイトなどを確認しましょう。
Q.つみたて投資枠(旧つみたてNISA)を引き出すとどれくらい手数料がかかりますか?
A.
引き出す際に手数料はかかりません。ただし、商品によっては「信託財産留保額」がかかる場合があります。
信託財産留保額の有無や程度は、目論見書で確認できます。
監修者コメント
つみたて投資枠は、年間で120万円までしか非課税投資ができないため、一旦引き出して、再びある程度の資産額にするには時間がかかります。目標を達成したとしても、本当に全額引き出す必要があるか十分検討しましょう。