旧つみたてNISAの非課税期間は?旧NISAからの変更点や移管の可否

更新日:2024/07/10
旧つみたてNISAの非課税期間は?旧NISAからの変更点や移管の可否

2023年までのつみたてNISAを利用していた場合、新NISAがはじまったあとも、非課税で保有資産を運用できます。しかし、20年間の非課税期間は継承されており、非課税期間終了後は、自動的に課税口座に移管されます。そのため、非課税期間が終了する前に、売却するか・課税口座で運用を続けるかを選択する必要があります。なお、新NISAへの移管(ロールオーバー)はできません。

「気づいたときには自動的に課税口座に移管されていた」といった事態を防ぐためにも、保有商品の非課税期間を把握し、今後の運用方針を決めておきましょう。

この記事で分かること
  • 旧つみたてNISAは、新NISA開始後も非課税期間が終了するまで非課税で運用を続けられる
  • 旧つみたてNISAの非課税期間終了後、NISA口座へ移管(ロールオーバー)することはできない
  • 旧つみたてNISAの非課税期間が終了するまでに、売却するか課税口座で運用を続けるかを選ぶ必要がある

目次

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2023年までのNISAの非課税期間

2023年までの旧NISAでは、NISAの種類ごとに非課税期間が設けられていました。

  • 旧つみたてNISA:最長20年
  • 旧一般NISA:最長5年
  • 旧ジュニアNISA:最長5年

【最長20年間】旧つみたてNISAの非課税期間

旧NISAのなかでも、つみたてNISAの非課税期間は、購入してから20年間と最長でした。

たとえば、2020年に購入した商品は最長2039年まで、2021年に購入した商品は最長2040年まで、旧NISA口座で運用を続けられます。

つみたてNISAの非課税期間

【最長5年間】旧一般NISA・ジュニアNISAの非課税期間

旧制度の一般NISAとジュニアNISAの非課税期間は、購入してから5年間でした。

たとえば、2020年に購入した商品は最長2024年まで、2021年に購入した商品は最長2025年まで、旧NISA口座で運用を続けられます。

一般NISA・ジュニアNISAと新NISAの成長投資枠の非課税期間の違い

新NISAがスタートしても旧NISAの運用は継続可能

2024年1月より新NISAが始まりました。

旧NISAは2023年をもって終了したため、2024年1月以降は新規買付ができません。しかし、非課税期間が終了する年まで運用を続けられます。

監修者コメント

金子賢司(かねこけんじ)

旧NISAの資産がある方は、新NISAの非課税枠に加え、旧NISAの非課税枠も利用できていることになります。

旧NISAの非課税期間が過ぎたらどうなる?

旧NISAが終了する2023年までに購入した商品は、非課税期間が過ぎると、自動的に課税口座へ移管されます。

たとえばつみたてNISAを利用していた場合、制度開始の2018年から始めた方なら、2018年の購入分は2037年まで非課税です。非課税期間終了後は、非課税期間が終わる時点(20年目の年末)の価額を元本として、残高は自動的に課税口座に移管されます。課税口座で運用して得られた利益には、20.315%の税金がかかります。

課税口座へ移管される直前に売却したい場合は、受渡日が年内となるように売却手続きをしなければなりません。受渡日を年内にするための取引最終日は、証券会社や商品によって異なるため、非課税期間終了間際まで運用したい場合は注意が必要です。

なお、ジュニアNISAの場合は、5年間の非課税期間が終了したあとは、新NISA口座を開設できる18歳まで「継続管理勘定」へ移管され、非課税で保有できます。

非課税期間終了前から売却のタイミングを考える

自動で課税口座へ移管される前に、「売却する」か「課税口座で運用する」かを検討しましょう。課税口座で運用を継続する場合は、特別な手続きは必要ありません。

次のように具体的に検討すると、非課税期間終了後の戦略を立てやすくなります。

売却する場合

  • いつ売却するか
  • いくら売却するか
  • 売却したお金はどのように使うか

課税口座で運用を継続する場合

  • いつまで運用するか
  • いくらになるまで運用するか

ただし、あらかじめ売却の時期を決めていたとしても、そのタイミングで利益が出ているとは限りません。

NISAは、いつでも売却できます。非課税期間終了間際に売却してもよいですが、利益が出ている場合は、非課税期間終了前から売却を検討してもよいでしょう。目標金額に達成したときや、お子様の入学金などでまとまったお金が必要になったときなど、ご自身のタイミングで売却できます。

旧NISAは新NISAに移管(ロールオーバー)できない

旧つみたてNISAや旧一般NISAから新NISAへは、移管(ロールオーバー)できません。

移管(ロールオーバー)とは、非課税期間が終了する保有商品を、翌年の非課税投資枠へ移管してそのまま保有・運用することです。旧NISAでは、非課税期間終了前に移管(ロールオーバー)の手続きを行い翌年の非課税枠へ移すことで、非課税期間を延長できました。

旧NISAは新NISAに移管(ロールオーバー)できない

旧NISA口座の保有商品は、非課税期間終了後は課税口座に移管されます。非課税期間が終了する前に売却すれば、運用によって得られた利益をまるごと受け取ることが可能です。

旧NISAと新NISAを併用した運用はできる

旧NISA口座の保有商品は新NISA口座へ移管(ロールオーバー)できませんが、それぞれ別口座で併用して運用できます。

旧NISA口座では新規買付できませんが、保有商品は非課税期間の終了まで非課税で運用が可能です。

なお、2023年までに旧NISAの口座を開設していた場合は、商品を購入したかに関わらず旧NISAと同じ金融機関(銀行/証券会社)で新NISA口座が自動で開設されているはずです。

新NISAになって変わったつみたて投資枠の非課税保有期間

2024年から開始した新NISAでは、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)、成長投資枠(旧一般NISA)ともに非課税保有期間が無期限化しました。

そのため、5年や20年といった非課税期間にとらわれず、投資・運用ができます。非課税期間を気にせずに、いつでも自分の目的に応じて引き出しができます。

非課税保有期間以外の新NISAの変更点

新しいNISAが始まったことによる旧NISAとの比較表は、次のとおりです。

非課税保有期間以外の新NISAの変更点

非課税保有期間が無期限化されたことの他、年間投資枠や非課税保有限度額が増えたことや、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)と成長投資枠(旧一般NISA)が併用できるようになったことなどが大きな変更点です。

新NISAは、日本に住む18歳以上の方であれば、口座開設できます。

なお、制度変更によってジュニアNISAが廃止されたため、18歳未満の未成年の方はNISA制度を利用できません。

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旧NISAで資産運用している方は非課税期間を把握しておきたい

旧制度のつみたてNISAもしくは一般NISAで運用している方は、まずは非課税期間がいつまでかを確認することが大切です。

そのうえで、旧NISA口座で保有している商品の今後を考えておきましょう。検討する際は、「売却する」か「課税口座で運用を継続する」かだけでなく、大切な資産をどのように使いたいかに重点をおくと考えやすいでしょう。

なお、2024年1月から始まったNISAでは、非課税保有期間を考える必要がありません。投資目的や目標金額、自分の資産状況にあわせてつみたて投資枠と成長投資枠を併用することも可能です。

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NISAをはじめとした投資に不安がある方は、対面で相談できる銀行で口座開設するのがおすすめです。
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選べる2つの開設方法

つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の非課税期間に関するよくある質問

Q.つみたてNISAの非課税期間はいつまでですか?

A.

旧つみたてNISAの非課税期間は最長20年間です。

なお、「投資信託を購入した年から最長20年間」であるため、旧NISAで運用している方は、いつ投資信託を購入したかを確認しておきましょう。

Q.旧NISAで運用していた商品を新NISAに移管することはできますか?

A.

旧NISAから新NISAへの移管(ロールオーバー)はできません。
ただし、新NISAが始まった2024年以降も、非課税期間が終了するまで、非課税で運用できます。

Q.新NISAのつみたて投資枠の非課税保有期間はいつまでですか?

A.

新NISAの非課税保有期間は無期限化しており、旧つみたてNISAのような20年間といったルールがなくなりました。

30年、40年といった超長期的な運用も可能です。

監修者コメント

金子賢司(かねこけんじ)

つみたて投資枠は旧つみたてNISAよりも長い期間、非課税で運用できます。旧つみたてNISAよりもさらに、複利効果や長期投資の効果が働くため、継続することで大きく資産を増やせるかもしれません。