NISA口座は複数作れる?金融機関の選び方・変更方法も紹介
NISAは1人1口座と決まっています。NISA口座開設時には税務署のチェックが必ず入るため、複数のNISA口座を開設することはできず、非課税枠も増やせません。そのため、年間投資枠(年間で投資できる上限額)や非課税保有限度額(生涯非課税で投資できる上限額)などの基本知識を押さえておくことが大切です。
ただし、配偶者や家族と協力してNISA口座を利用すれば、人数分の非課税枠を活用できます。家計全体でみると、非課税で投資できる金額が増えて複数の口座を管理できるため、目的に合わせて投資商品や投資方法を変えることも可能です。
- NISA口座は1人1口座のみのため、複数の金融機関で開設できない
- NISA口座の開設を同時に申し込んだ場合は、税務署にいち早く情報提供された金融機関で口座開設される
- 夫婦や家族でNISA口座を利用すれば、非課税で運用できる金額も増え、目的に合った資産形成もできる
目次
OPENNISAの口座は複数保有することはできない
NISA口座は、1人1つの金融機関でしか申込み・開設できません。
NISA口座の申込後は、申込先の金融機関を通じて、税務署で二重口座でないことを必ず確認しています。
1人1口座しか開設できないため、どの金融機関でNISA口座を開設するかを慎重に検討しましょう。
新NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用は可能
2023年までのNISAでは、「つみたてNISA」と「一般NISA」を併用できず、どちらかを選ばなければなりませんでした。
しかし、2024年1月から始まった新NISAでは、つみたてNISAの特徴を継承する「つみたて投資枠」と、一般NISAの特徴を継承する「成長投資枠」を併用できます。さらに、非課税保有限度額が1,800万円(※)と拡充されました。
※つみたて投資枠と成長投資枠の総額
「旧NISAでは投資枠が足りず、もっと投資したい」と思っていた人でも、NISAを活用しやすくなったといえるでしょう。
なお、年間投資枠(年間で投資できる上限額)も拡充され、つみたて投資枠は120万円、成長投資枠は240万円まで投資できます。併用すれば、年間で最大360万円まで投資可能です。
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NISA口座を複数開設するとどうなる?
複数のNISA口座を開設するパターンとして、次の2つが考えられます。
- 旧NISAで口座開設をしていたことを忘れていた場合
- 複数の金融機関に同じタイミングで申し込んだ場合
なお、二重口座であることが判明し、「口座開設不可」の場合は、申込先の金融機関より個別に通知がくるようになっています。
旧NISAで口座開設をしていたことを忘れていた場合
利用の有無にかかわらず、旧NISA口座が開設されていた場合は、特別な手続きをしなくても、旧NISAと同じ金融機関で新NISA口座が自動で開設されています。そのため、他の金融機関で新たに口座開設の手続きをしても、NISA口座を開設できません。
NISA口座の申込後は、申込先の金融機関を通じて、税務署で二重口座でないことを必ず確認しています。
なお、NISA口座で運用する金融機関は、年単位であれば変更可能です。
複数の金融機関に同じタイミングで申し込んだ場合
たとえ同じタイミングでNISA口座開設に申込みをしたとしても、どちらの金融機関でもNISA口座を開設できるわけではありません。
仮に複数の金融機関に同じタイミングでNISA口座の開設の申込みを行った場合は、税務署に申込情報が早く提供された金融機関でNISA口座が開設されます。
NISA口座を別の金融機関に変更する方法
NISA口座は、1年に1回だけ金融機関を変更できます。
NISA口座の金融機関を変更する手続きの大まかな流れは、次のとおりです。
まずは、現在利用している金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」または「非課税口座廃止提出書」を提出します。金融機関より「非課税管理勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」が発行されるため、大切に保管しましょう。
次に、「非課税管理勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」と必要書類を新たに利用する金融機関に提出すれば、NISA口座の変更手続きが完了です。
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監修者コメント
NISA口座を別の金融機関に変更できても、これまで運用していた資産を持ち越すことはできません。ただし旧口座で運用は可能です。
NISA口座を開設する金融機関の選び方
NISA口座を開設する金融機関の選ぶときは、取り扱っている商品の数よりも、自分が投資したい商品を取り扱っているかをチェックすると良いでしょう。
- 取り扱っている商品(銘柄)
- 投資資金の引落方法
- アプリの使いやすさやサービスの充実度
NISAは、証券会社や銀行、郵便局、信用金庫などさまざまな金融機関で利用できますが、取り扱っている商品は金融機関によって異なります。
取り扱っている商品の数よりも、自分が投資したい商品を取り扱っているかをチェックするとよいでしょう。「NISAを始めたいけど、どのような商品を選べばわからない」といった場合は、投資可能商品が厳選されていたり、窓口で相談しながら投資商品を選べたりする金融機関を選ぶのも手段のひとつです。
夫婦や家族でNISA口座を利用するメリット
NISAは、1人で複数の口座開設はできませんが、夫婦や家族で人数分のNISA口座を開設すれば最大限活用できます。夫婦や家族で運用する3つのメリットは、次のとおりです。
- 夫婦2人で年間投資枠が2倍活用できる
- 分散投資がしやすい
- 目的にあわせた口座で投資をできる
夫婦2人で年間投資枠が2倍活用できる
たとえば、夫婦2人なら2倍の非課税枠を活用できます。
新NISAの年間投資枠は、最大360万円(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)ですが、2人で活用すれば年間で最大720万円活用できます。非課税保有限度額は、つみたて投資枠と成長投資枠の総額で1,800万円から3,600万円になります。
「一人分の年間投資枠を超えて投資をしたい」と考えている人は、配偶者や家族と協力してNISAで運用することも検討しましょう。
分散投資がしやすい
NISAに限らず、投資には投資した金額を下回る元本割れのリスクがあります。投資を始めるうえで、元本割れなどのリスクを軽減したい場合は、分散投資を意識することが大切です。
分散投資とは、投資する資産やタイミングを分散することによって、元本割れなどのリスクを抑えながら資産形成を目指すことです。
1人で分散投資することも可能ですが、夫婦がそれぞれ、資産や購入タイミングを分散させて運用することで、さらなるリスクの軽減を期待できます。
目的にあわせた口座で投資をできる
たとえば、夫のNISA口座は子どもの教育費用、妻のNISA口座では老後資金といったように、異なる目的でNISAを活用できます。
投資の目的や目標金額、達成したい時期などが異なれば、活用する投資枠(つみたて投資枠か成長投資枠)や投資商品、投資方法(積立投資か一括投資)などの戦略が異なります。家族の人数分のNISA口座をうまく活用できれば、それぞれの目的にあった投資方法で運用することが可能です。
もちろん、同じ目的で利用するのもよいでしょう。自分や家族のライフプラン・家計状況などに合わせて、上手に活用しましょう。
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NISA口座 複数に関するよくある質問
Q.NISA口座は複数の金融機関で開設できますか?
A.
NISA口座は、1人1口座のみと決まっているため、複数の金融機関では開設できません。
2024年1月から始まった新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を併用できるようになり、非課税保有限度額や年間投資枠が拡充されました。1つのNISA口座で充実した資産形成ができるようになったともいえるでしょう。
なお、年単位でNISA口座を変更することは可能です。
Q.NISA口座を複数作ってしまうとどうなりますか?
A.
あとから口座開設手続きをしたほうのNISA口座が開設不可となります。
Q.開設したNISA口座を他の金融機関の口座に変更できますか?
A.
変更できます。ただし、NISA口座の金融機関変更は1年に一度のみです。変更できる期間は、変更を希望する前年の10月1日から、変更を希望する年の9月30日までです。手続きの方法は、金融機関によって異なるため、利用している金融機関のWEBサイトなどで確認しましょう。
金融機関変更する際は、どの金融機関で開設するかを十分に検討したうえで手続きしましょう。
監修者コメント
貯蓄の目的別に口座を分けると、貯蓄額の管理がしやすくなります。お子さまの学費は妻のNISA口座で貯蓄。老後資金は夫のNISA口座で貯蓄するなど使い分けてみても良いでしょう。