つみたて投資枠(旧つみたてNISA)は毎月いくらがいい?平均額や決め方を紹介

更新日:2024/06/01
つみたて投資枠(旧つみたてNISA)は毎月いくらがいい?平均額や決め方を紹介

新NISAのつみたて投資枠の年間投資枠は120万円ため、毎月の積立金額として設定できる上限額は10万円です。ただし、無理して10万円を投資し続ける必要はありません。

本記事では、毎月いくら積み立てるべきか悩んでいる人に向けて、積立金額の決め方を5つ紹介します。毎月1,000円、5,000円、1万円、3万円、5万円、10万円をそれぞれ20年積み立てた場合のシミュレーションもあわせて紹介します。積立金額の決め方やシミュレーション結果を参考に、ご自身の収入や状況にあった積立金額を決めましょう。

この記事で分かること
  • つみたてNISAの積立投資希望額の平均は毎月1.8万円だった
  • つみたて投資枠の積立額は、毎月の上限額を10万円とし、自由に決められる
  • つみたて投資枠(旧つみたてNISA)は、毎日少額でも継続すれば資産形成が可能

目次

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つみたてNISAの毎月の積立平均額

一般社団法人投資信託協会のアンケート調査によると、つみたてNISAを「利用したい、利用し続けたい」と回答した人の積立投資希望額の平均は1.8万円でした。

積立投資希望額を「3万円以上」とした人が一番多く、アンケートに回答した人の30.6%が希望しています。

年代別・世帯年収別の積立投資希望額の平均額は次のとおりです。

【年代別】

年代別のつみたてNISAの毎月の積立平均額

【世帯年収別】

なお、この調査結果は旧制度のつみたてNISAの調査結果であり、希望額です。新NISAのつみたて投資枠では、毎月10万円まで積立できるようになったため、実際はこの平均額よりも多くなる可能性があります。

また、マネプラスにて投信自動積立をご契約いただいている方の32%は、10,000円~19,999円を積立設定しています。
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毎月の積立金額の参考にしてください。

つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の毎月の積立金額の決め方

つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の毎月の投資金額は、ご自身の収入や状況にあわせて自由に設定できます。

ただ、どのように決めればよいかわからない人も多いでしょう。ここからは、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の毎月の積立金額の決め方の例を紹介します。

つみたて投資枠の積立金額の決め方

なお、旧制度のつみたてNISAは2023年で終了した制度であるため、新たに積立設定することはできません。

出費を見直して節約できそうな金額を投資に回す

出費を見直して、節約できそうな金額を毎月の積立金額に設定するとよいでしょう。

代表的な節約ポイントは次のとおりです。家計の収支を把握し、普段の生活で節約できる部分がないかチェックしてみましょう。

  • 買い物リストを活用して無駄なものは購入しない
  • 自炊を心がける
  • 利用していないサブスクを解約する
  • スマホを格安SIMに切り替える
  • 加入している保険のプランを見直す

日々の心がけひとつで、投資資金を作れる可能性が広がります。

さらに、毎月支払いが発生する固定費から見直すことで、普段の生活を変えずに投資資金を作れる可能性が高いでしょう。

固定費の見直しは、一度見直せばその後は意識をしなくとも節約し続けることができます。住居費や水道光熱費、保険料、通信費など大きなものから見直すことがおすすめです。

ただし、投資のために無理な節約をしないことも大切です。無理して投資資金を捻出しても、続かない可能性があるため、少額からでも積み立て続けることを意識しましょう。

長期運用できる金額を設定する

「とりあえず5,000円なら今も将来も投資できそう」など、ご自身やご家族の収入から積み立て続けられる金額を設定するのもひとつです。

つみたて投資枠は10年、20年と長期間の運用を前提とした投資です。そのため、生活費や急な出費に備えるための貯蓄、お子様の教育に関する費用などを削らずに積立できる金額を考えましょう。

運用年数と目標金額からシミュレーションする

運用できる年数と目標金額からシミュレーションして、毎月の積立金額を決めるのもおすすめです。

たとえば35歳の人が、60歳までに1,000万円積み立てたい場合を考えてみましょう。

預金のみで目標金額を達成するには、毎月3.3万円が必要になります。これをたとえば、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)で年3.0%の収益が期待される運用商品に投資した場合、月々の積立金額は約2.2万円で目標金額を達成できる可能性があります。

投資には、中長期的に行なっていくことで、運用により得られた利益が、元本に上乗せされ運用されることで、さらに増える期待ができる「複利」の効果もあります。

複利効果

「投資期間」と「複利」の効果には関係があり、投資期間が長いほど、複利効果も大きくなる傾向があります。

毎月いくら積み立てれば目標金額まで到達できるかは、金融庁「資産運用シミュレーション」で確認できます。次の3パターンでシミュレーションが可能です。

  • 将来いくらになるか
  • 毎月いくら積み立てればいいか
  • 何年間積み立てればいいか

生活費などで余裕がある分を積立金額に設定する

家計が黒字で生活費に余裕がある場合は、余裕分を積立金額に設定するのもよいでしょう。

万一のトラブルに備える生活防衛資金として、3ヵ月~半年分の生活費を貯蓄で備えてから投資を始めると、なおよいでしょう。

決められないけど始めたいならまずは少額から始める

ここまで紹介した4つを見ても積立金額をなかなか決められないという人は、まずは3,000円などの少額からスタートするのもよいでしょう。

まずは少額でスタートし、投資を進めていくなかで情報収集をしたり、家計を見直して積立金額を増やしたりするのもおすすめです。

監修者コメント

金子賢司(かねこけんじ)

毎月の収入から自動的に積み立て額が引き落とされる「先取り貯蓄」の仕組みを作っておくと、計画的に積み立てがしやすくなりますよ。

つみたて投資枠(旧つみたてNISA)は毎月1,000円など少額からできる

つみたて投資枠(旧つみたてNISA)は、毎月1,000円などの少額から積立が可能です。

設定できる最低積立金額は金融機関によって異なり、100円から始められる金融機関もあります。

ライフプランに応じて積立金額は設定できますが、毎月1,000円以上などがおすすめです。少額かつ、資産形成を実感しやすい金額から始めて、投資に慣れてきたら金額を少しずつ増やしていくのもひとつの方法です。

金融機関によっては投資頻度を「毎日」にできるものもある

つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の投資頻度は「毎月」が一般的ですが、金融機関によっては「毎週」や「毎日」も設定できる場合もあります。そういった金融機関では、100円/営業日(毎月2,000円程度)などの少額の設定が可能です。

毎日積立のメリットは、毎月積立よりもより細かく時間を分散できることです。毎月投資でも時間分散によるリスク軽減の効果を期待できますが、毎日投資のほうが投資頻度が多い分、価格変動のリスクを軽減できる可能性が高くなります。

つみたて投資枠は毎月10万円を上限に積み立てられる

つみたて投資枠の年間投資枠は120万円のため、毎月積立できる金額の上限は10万円です。

旧制度のつみたてNISAの年間投資枠は40万円だったため、毎月積立できる金額の上限は約3.3万円でした。毎月3.3万円を積み立てても上限の40万円まできっちり積み立てることが困難でしたが、新NISAでは年間投資枠が拡充されたうえ、12ヵ月できれいに割れる金額となりました。

なお、年間投資枠の上限まで投資する必要はありません。あくまでもご自身の収入や状況などに応じて無理のない積立金額を設定しましょう。

【積立金額別】つみたて投資のシミュレーション

つみたて投資枠を使って資産運用した場合、将来どれくらい資産が増えるのかシミュレーションしてみましょう。

毎月1,000円ずつ積み立てた例

次の条件で運用した場合は、元本24万円に対し運用利益が約17.1万円発生し、資産総額は約41.1万円になる計算です。

【シミュレーション条件】
積立金額(月):1,000円
想定利回り(年率):5%
運用期間:20年間

毎月1,000円ずつ積み立てた例

※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。

たった1,000円と思うかもしれませんが、20年後には大きく資産を増やせる可能性があるとわかります。最初は1,000円から始めて、収入が増えたときや余裕が出てきたときに2,000円、3,000円と積立金額を増やせれば、さらに大きく資産形成できるでしょう。

毎月5,000円ずつ積み立てた例

次の条件で運用した場合は、元本120万円に対し運用利益が約85.5万円発生し、資産総額は約205.5万円になる計算です。

【シミュレーション条件】
積立金額(月):5,000円
想定利回り(年率):5%
運用期間:20年間

毎月5,000円ずつ積み立てた例

※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。

毎月1,000円の積立から毎月5,000円に増やしただけでも、資産総額のシミュレーション結果が大きく変わることがわかります。

毎月5,000円を投資資金にまわすのは難しいと考える方もいるかもしれません。しかし、保険を見直したりスマホを格安SIMに替えるなど、毎月の固定費を1つでも見直せば、普段の生活を変えずに投資資金を捻出できる可能性があります。

毎月1万円ずつ積み立てた例

次の条件で運用した場合は、元本240万円に対し運用利益が約171万円発生し、資産総額は約411万円になる計算です。

【シミュレーション条件】
積立金額(月):1万円
想定利回り(年率):5%
運用期間:20年間

毎月1万円ずつ積み立てた例

※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。

たとえば、お子様の教育費を貯める目的で始めた場合、進学先によって異なりますが、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)で運用した資産で大学授業料を大きくカバーできる可能性があります。

毎月3万円ずつ積み立てた例

次の条件で運用した場合は、元本720万円に対し運用利益が約513.1万円発生し、資産総額は約1233.1万円になる計算です。

【シミュレーション条件】
積立金額(月):3万円
想定利回り(年率):5%
運用期間:20年間

毎月3万円ずつ積み立てた例

※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。

毎月3万円を20年間積立続け、想定利回り5%で運用できれば資産総額が1,000万円を超える可能性もあります。

ただし、1,000万円以上の資産総額が多いと感じるか少ないと感じるかは、人によって異なります。たとえ同じ目的でNISAを利用していても、必要な金額は人によって異なるためです。

たとえば、同じ老後資金を目的に積み立てる場合でも、定年年齢や受け取れる年金額、毎月必要な生活費、生活水準などすべてが異なるでしょう。

毎月の積立金額を決めるときは、目的と目標金額の両方から考えることが大切です。

毎月5万円ずつ積み立てた例

次の条件で運用した場合は、元本1,200万円に対し運用利益が約855.2万円発生し、資産総額は約2055.2万円になる計算です。

【シミュレーション条件】
積立金額(月):5万円
想定利回り(年率):5%
運用期間:20年間

毎月5万円ずつ積み立てた例

※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。

毎月5万円を20年間積み立て続け、想定利回り5%で運用できれば、資産総額が2,000万円を超える可能性もあります。
2019年ごろ「老後2,000万円問題」が話題となったため、2,000万円と聞くと、老後資金をイメージする人もいるかもしれません。

もちろん老後資金だけを目標として積み立てる選択肢もありますが、NISAの利用目的は1つに絞らなくとも問題ありません。たとえば、第一目的を教育資金、第二目的を老後資金とした場合、必要なタイミングで売却して現金化する選択をとってもよいでしょう。

NISAは好きなタイミングで売却できるのも特徴のひとつです。

あわせて読みたい

つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の売却方法|タイミングや手数料、注意点も解説

毎月10万円ずつ積み立てた例

最後に、毎月10万円ずつ積立した場合で考えてみましょう。毎月10万円を積み立てると、非課税保有限度額の1,800万円を15年間で使い切る計算になります。

次の条件で運用した場合は、元本1800万円に対し運用利益が約872.9万円発生し、資産総額は約2672.9万円になる計算です。

【シミュレーション条件】
積立金額(月):10万円
想定利回り(年率):5%
運用期間:15年間

毎月10万円ずつ積み立てた例

※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。

10万円は、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の年間投資枠120万円を使い切るための上限額(120万円÷12ヵ月)です。そのため、年の途中から始めても毎月10万円を超える積立設定ができない金融機関もあることを念頭に置いておきましょう

なお、資金に余裕がある人は毎月の積立金額を10万円として年間投資枠を使い切るのもよいですが、無理をしてまで上限を目指す必要はありません。

監修者コメント

金子賢司(かねこけんじ)

無理に積み立て額を増やすよりも、早めにスタートして時間を味方につけて複利の力で資産を増やすことを意識しましょう。

つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の積立金額は好きなときに変更できる

積立金額は、金融機関のインターネットバンキングなどで変更できます。

つみたて投資を始めてみたものの、毎月の積立金額が多すぎたり少なすぎりした場合や、収入の増減があった場合などは、適宜変更するとよいでしょう。

また、金融機関の定める積立単位で細かく設定するのもひとつの考え方です。

たとえば、マネプラスなら1,000円以上1,000円単位で設定できます。「13,000円」や「27,000円」などの設定も可能ですが、無理のない範囲で自分にあった積立金額を設定しましょう。

つみたて投資枠(旧つみたてNISA)のボーナス設定とは

金融機関によっては、毎月の積立金額とは別に「ボーナス設定」ができます。「増額設定」と呼ぶ金融機関もあります。

ボーナス設定とは、ボーナス月に指定した月は、毎月の積立金額よりも多く積み立てられる設定方法です。つみたて投資枠の年間投資枠120万円に収まる範囲内で、ボーナス時の増額設定ができます。

少しでも多く積み立てたい人は、ボーナス設定もあわせて検討するとよいでしょう。

なお、ボーナス設定の可否は金融機関により異なります。各金融機関のWEBサイトなどで確認しましょう。

少額投資でも長期運用すれば投資の効果は期待できる

つみたて投資は「少額では投資の意味がない」といわれることもありますが、長期で運用すれば、利益が期待できます。

お子様の大学進学資金やご自身の老後資金など、少し先の将来のために資産を形成したい場合は、非課税で効率よく資産を増やせる可能性のあるNISAを活用していきましょう。

マネプラスの「土・日ご相談プラザ」&「土曜ご相談プラザ」では、NISAに関する疑問はもちろん、保険の見直しや相続、家や自動車の購入などお金に関する疑問を無料で相談できます。

「少額でも意味があるのか」「つみたて投資に不安がある」といった方は、まずはマネプラスにご相談ください。

選べる2つの開設方法

つみたて投資枠の毎月の積立金額に関するよくある質問

Q.つみたて投資枠(旧つみたてNISA)では毎月いくらまで投資することができますか?

A.

新NISAのつみたて投資枠の年間投資枠が120万円のため、ひと月あたりの積立上限額は10万円です。

Q.つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の積立金額は毎月1,000円のような少額でも利益を得られますか?

A.

長期的に運用することで利益が期待できます。

将来のための資産形成が目的であれば、目標金額に応じた金額で積み立てるとよいでしょう。

Q.つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の積立金額は何を基準に決めるといいですか?

A.

つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の毎月の積立金額の決め方に正解はありません。ただ、決めるのが難しい場合は、次の決め方を参考にしましょう。

  • 出費を見直して節約できそうな金額を投資に回す
  • 長期運用できる金額を設定する
  • 運用年数と目標金額からシミュレーションする
  • 生活費などで余裕がある分を設定する
  • 決められないけど始めたいならまずは少額から始める

詳しくは「つみたて投資枠の毎月の積立金額の決め方」で解説しています。

Q.つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の金額をあとから変更することはできますか?

A.

各金融機関のインターネットバンキングなどで変更できます。ご自身の収入や状況に応じて、積み立て続けることができる金額に変更しましょう。

Q.つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の最低金額を教えてください

A.

金融機関によっても異なりますが、1,000円から投資可能としているところが多いです。一部の金融機関では、100円から投資できるところもあります。

監修者コメント

金子賢司(かねこけんじ)

つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の積立金額は、後から変更することができます。お金があるときは多めに積み立て、支出が多い時期は積み立てをお休みするなど柔軟な運用ができます。ご自身のライフプランに合わせて上手に使いこなしてください。