NISAのつみたて投資枠は何歳から開設できる?開始したい年齢・年代別の運用も解説

更新日:2024/07/10
NISAのつみたて投資枠は何歳から開設できる?開始したい年齢・年代別の運用も解説

NISA口座は18歳以上であれば、年齢の上限なく利用できます。

つみたて投資枠を活用した投資は、10年、20年など長期的に積立投資を行うことで、元本割れのリスクを抑えながら資産を形成する投資方法です。長く投資するほど資産を効率的に増やせる可能性があるため、思い立った今、始めましょう。

この記事では、つみたて投資枠の基本知識を押さえたうえで、つみたて投資枠をはじめるときのポイントや年代別の運用ポイントも解説します。

この記事で分かること
  • NISA(つみたて投資枠/成長投資枠)は、18歳以上からはじめられる
  • NISAは「何歳からはじめるか」よりも、思い立った今から長期的に積立投資することで、資産を効率的に増やせる可能性がある
  • NISAの開始年齢に上限はないため、18歳以上であれば年齢の上限なくはじめられる

目次

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NISAのつみたて投資枠は18歳以上であれば口座開設できる

NISA口座は、18歳以上であれば開設できます。NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの投資枠があり、銀行や証券会社などでNISA口座を開設すれば、どちらも利用できます。

ただし、18歳を迎えたら誰でも口座開設できるわけではありません。

NISA口座を開設する年の1月1日時点で18歳以上であることと日本国内に住んでいることが、NISAをはじめる条件です。

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ジュニアNISAは2023年で制度が終了している

2023年までは、0~17歳までが利用できる「ジュニアNISA」がありました。しかし、2024年1月の新しいNISAの導入に伴い、制度終了となりました。

なお、新しいNISAにはジュニアNISAの代わりとなる制度がないため、18歳未満の方はNISAをはじめることはできません。

ただし、制度廃止の2023年以前にジュニアNISA口座を開設し運用していた場合は、18歳まで非課税で保有できます。

新NISAと旧NISAの違い

新NISAと旧NISAの違いは、次のとおりです。

新NISAと旧NISAの違い

投資対象商品や対象年齢に変更はありませんが、年間投資枠・非課税保有限度額が増えたことや、非課税保有期間が無期限化されたことが大きな特徴です。

さらに、旧制度とは違って、投資枠を再利用できるようになりました。

旧制度では、決められた金額(非課税保有限度額)を超える買い付けができず、非課税保有限度額を超えて投資するには、税金がかかる一般口座や特定口座などで投資するしかありませんでした。

しかし、新NISAでは、運用していた資産を売却した分の非課税保有限度額が復活するため、売却した翌年以降に再利用できるようになりました。

たとえば、非課税保有限度額の1,800万円※のうち500万円分を売却した場合、再度500万円分を非課税で運用できます。ただし、年間投資枠の上限が決まっていることには注意が必要です。
※つみたて投資枠と成長投資枠の総額

NISAのつみたて投資枠は何歳からはじめるのがいい?

NISAは、18歳以上であれば、何歳からはじめても問題ありません。ただし、つみたて投資枠を活用して資産を形成したい場合は、20代や30代といった年代のうちからはじめるのが望ましいでしょう。

つみたて投資枠は、10年や20年といった長期間の積立投資によって、リスクを抑えた資産形成を目指す投資方法です。非課税保有期間が無期限化されたため、早くはじめるほど、長期間積み立て続けられます。30年、40年と長期的な運用も狙えるでしょう。

また、長期投資するほど元本割れのリスクが軽減でき、収益が安定する可能性もあります。

長期投資と元本割れリスクの関係性については「つみたて投資枠をはじめるときのポイント」で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

また、NISAのつみたて投資枠を使って投資をはじめる際は、「資産運用シミュレーション」の活用がおすすめです。資産運用シミュレーションでは、毎月の積立金額や想定利回り、積立期間を入力するだけで「何年後にどのくらいの資産を形成できるか」を試算できます。

将来の資産額を試算できれば、いつはじめるべきか、毎月どのくらい積み立てるべきかが明確になるでしょう。

複利効果で効率のよい運用ができる

NISAを「何歳からはじめるか」を考えるよりも、思い立ったときから積立投資をはじめ、長期投資することを心がけるとよいでしょう。

長期投資をすることで、複利効果を得やすく、資産を効率的に増やせる可能性があります。

複利とは、元利(元本+利益)に利益が発生する仕組みのことです。10年、20年、30年と長く積み立てるほど、利益が期待できます。

複利効果で効率のよい運用ができる

【年代別】つみたて投資枠の運用ポイント

これからつみたて投資枠をはじめる場合は、どのように運用していけばいいか迷うこともあるでしょう。そのようなときは、年代に合った運用方針を参考にしましょう。

ここからは、各年代に沿ったつみたて投資枠の運用ポイントを解説します。

20代|無理のない範囲で長く積み立てていく

20代でNISAをはじめる場合は、無理のない範囲で長く積み立て続けることが大切です。

20代は、それほど収入が高くないケースも多く、まとまった投資資金を捻出することが難しいかもしれません。生活費などの必要なお金を使わずに、まずは少ない金額から積立をはじめましょう。

収入が増えて安定してきたら、積立金額を増やすのがおすすめです。積立設定の最低金額や単位は金融機関によって異なりますが、段階を踏んで増やせます。たとえば、マネプラスでは毎月1千円以上1千円単位で設定できます。毎月1,000円からはじめて、2,000円、3,000円…と、生活に支障がない程度に積立金額を増やせれば、その分、資産の増加スピードを早めることが可能です。

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30代|ライフスタイルの変化にあわせて積み立てる

30代は、ライフスタイルの変化にあわせて積み立てましょう。

20代後半から30代にかけては、結婚や出産・子育て、転職など、人によってライフスタイルが変化しやすい時期です。NISAをはじめる前に、ご自身の今の状況と、今後の生活の変化を想像しておきましょう。今後のライフプランを考えることで、毎月いくら積み立てるべきかを検討しやすくなります。

なお、NISAは毎月1,000円などの少額から積立をはじめられ、ライフスタイルの変化に合わせて積立金額を変更できます。まずは少額からはじめてみましょう。

40代|夫婦での資産形成も考えたい

40代からNISAをはじめる場合は、家計を見直しつつ、老後資金を形成するための資産形成を検討するとよいでしょう。

配偶者がいる場合は、夫婦それぞれがNISA口座を開設し、特徴の異なる投資信託に長期投資することで、元本割れのリスクを分散しながら老後資金を形成できる可能性があります。

ただし、30代後半から40代にかけては、住宅やマイカーの購入費用、お子様の進学費用などにお金がかかる年代です。

まずは生活に支障のない金額からはじめましょう。出費が多く、投資にまわすお金がない場合は、家計を見直し、無駄な支出がないか、収入を増やせないかを検討することが大切です。

家計の見直しが苦手な場合は、銀行などのお金のプロに相談するのも手段のひとつです。

50代|成長投資枠との併用も検討する

50代からNISAをはじめる場合は、つみたて投資枠だけでなく成長投資枠も併用するのがおすすめです。

50代は、他の世代に比べると収入も高く、お子様が自立すれば、金銭的な余裕が出てくる家庭もあるでしょう。

つみたて投資枠では、最大でも毎月10万円しか投資できず、一括投資もできません。一方で、成長投資枠なら、つみたて投資枠に比べると商品や投資方法の選択肢が多く、一括投資も可能です。今ある資金を活かして積極的な投資をしてみたい人は、成長投資枠も視野に入れましょう。

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60代以降|70代以降の老後資金に向けてある程度まとまった金額で積み立てる

60代から、70代以降の老後資金を考えて積立をはじめる場合は、長期運用のメリットが少ない分、ある程度まとまった金額で積み立てていくことに挑戦しましょう。

たとえば、60歳から定年退職の65歳までの5年間、年利3%で毎月10万円を積立投資し、その後10年間3%で運用すれば、元本600万円から約868万円まで資産を増やせる可能性があります。

さらに退職金がある場合は、つみたて投資枠の積立期間を延ばすのもよいですが、成長投資枠を使って一括投資することも可能です。

収入がなくなり年金額では生活費が足りない場合も、運用しながら取り崩すことで、資産の寿命を延ばせる可能性があります。

60代以降|70代以降の老後資金に向けてある程度まとまった金額で積み立てる

監修者コメント

金子賢司(かねこけんじ)

新NISAは非課税保有期間が無期限のため、さまざまな年代で、自身のライフステージに合った目的で投資ができます。

NISAは何歳まで口座開設できる?

NISAの口座開設に年齢の上限はなく、日本国内に在住の18歳以上の方であれば、誰でもNISAをはじめられます。

人によって収入や支出、ライフプランは異なるため、ご自身にあった運用を探っていきましょう。

つみたて投資枠をはじめるときのポイント

つみたて投資枠をはじめるときは、次のポイントを押さえておきましょう。

  • 少額の積立からはじめる
  • 元本割れのリスクを軽減するためにも長期運用を心掛ける

少額の積立からはじめる

「早く利益を出したい」との思いから、毎月の積立金額を大きく設定したいと考えるかもしれません。しかし、まずは少額の積立からはじめることが大切です。

無理して積立金額を大きくしてしまうと、目標金額に到達する前に引き出してしまう可能性があります。途中で引き出してしまうと、積み上げてきた資産に対する複利効果が得られなくなります。

まずは家計を見直したうえで、いくらなら積み立てられるかを考えましょう。最初は、利用する金融機関の最低金額でも問題ありません。最低積立金額は金融機関によっても異なりますが、毎月1,000円などの少額から積立をはじめられます。

積立金額は、任意のタイミングで変更できるため、金銭的な余裕ができたときに増額しましょう。

なお、つみたて投資枠では年間120万円まで投資できますが、この枠を使い切る必要はありません。無理なく長期的に続けられる金額を積み立て続けることが重要です。

元本割れのリスクを軽減するためにも長期運用を心掛ける

つみたて投資枠を利用した投資は、長期的に積立投資をするつもりではじめましょう。

どのような投資にも、資産価値が投資金額を下回る元本割れのリスクがありますが、つみたて投資枠を活用して長期的に積立投資することで、元本割れのリスクを軽減できる可能性があります。

金融庁が公表するデータによれば、分散・積立投資を5年間行った場合の元本割れの出現率は10%程度です。一方で、同じ投資手法を20年間行った場合の元本割れの出現率はゼロになり、収益が安定する計算結果となりました。
※将来の運用成果を保証するものではありません。

また、たとえ元本割れをしたとしても、保有し続けることで基準価額が上がる可能性があることを理解しておきましょう。

基準価額が、投資した金額よりも下回ったタイミングで売却しなければ、実質的に損することはありません。元本割れしてもすぐに売却せず、長期的な運用を心掛けましょう。

NISAで迷ったらマネプラスにご相談を

NISAをはじめる際は「どの金融商品を購入すればいいか」「どのように運用すればいいか」など、迷うこともあるでしょう。

NISAの始め方や運用方法に困ったときは、ぜひマネプラスにご相談ください。マネプラスでは、NISAの口座開設はもちろん、資産運用・保険・各種ローンなどのお金のこと全般を直接相談できます。

平日はお忙しい方も、「土・日ご相談プラザ」「土曜ご相談プラザ」で、土曜日・日曜日に相談することも可能です。予約制のため、WEB・お電話にてご予約をお願いいたします。

マネプラスのアプリでも口座開設が可能

マネプラスでは、店頭でもNISA口座を開設できますが、「マイナンバーカード」または「通知カードと運転免許証または運転経歴証明書」があれば、来店不要で投資信託口座とNISA口座を最短2営業日で開設できます。

使いやすく見やすいアプリで口座開設から取引までできることが特徴です。

選べる2つの開設方法

つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の開始年齢に関するよくある質問

Q.つみたて投資枠は何歳からはじめることができますか?

A.

つみたて投資枠は、日本国内に住む18歳以上の方が口座開設できます。

Q.つみたて投資枠は何歳からはじめるのがいいですか?

A.

つみたて投資枠は、少額でよいので、年齢を問わずなるべく早いタイミングではじめるのがおすすめです。
つみたて投資枠は、少額からはじめられる長期・積立・分散投資をすることで、元本割れリスクを抑えながら資産形成を目指す投資方法です。
思い立ったときにはじめれば、その分長く投資でき、資産を増やせる可能性があります。

Q.NISAは65歳以降からはじめても利益を得ることができますか?

A.

65歳以降からNISAをはじめても、利益を得られる可能性はあります。
ただし、20~50代と比較すると積立期間が限られているため、積立金額をできるだけ増やしたり、退職金などのまとまった資金があれば成長投資枠も併用したりするなどの工夫が必要です。

監修者コメント

金子賢司(かねこけんじ)

新NISAは30年、40年といった超長期運用で複利効果が得られます。そのため毎月の積立額は少額でも大きく資産を増やせる可能性があります。自身の家計と相談しながら、新NISA制度で早めに資産形成に取りかかりましょう。