投資の種類を比較。仕組みとメリット・デメリットを初心者向けにわかりやすく解説

更新日:2024/09/13
投資の種類を比較。仕組みとメリット・デメリットを初心者向けにわかりやすく解説

投資には、株式投資や債券投資、不動産投資など、さまざまな種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、必ず利益を出せる投資はありません。

投資を始める際は、それぞれの投資の特徴やリスクを理解したうえで、自分に合った投資を選ぶことが大切です。

おもな10種類の投資を一覧にまとめ、リスク・リターン別に細かく説明しています。投資初心者の方におすすめの制度や、投資を始める際の心得もあわせて確認しておきましょう。

この記事で分かること
  • 投資にはたくさんの種類があり、それぞれにメリット・デメリットがある。
  • 投資を始める際は、自分のリスク許容度に合った投資を選ぶことが大切。
  • 投資は元本割れする可能性があるため、余剰資金で始める。

目次

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投資とは利益を見込んでお金を投じること

投資とは、利益を見込んで自分のお金を投じることです。投じたお金よりも大きな金額にすることを目的としています。

投資は、銀行の預貯金とは異なり、元本保証がありません。投じた金額よりも増やせることもあれば、投じた金額を下回る「元本割れ」となる可能性もあることを理解しておくことが重要です。

投資は、株式や債券、投資信託などの金融商品を購入することで始められます。

投資できる金融商品の種類は、のちほどリスク・リターン別に解説します。

投資で利益を得る2つの方法

投資の種類を知る前に、投資で利益を得るための2つの方法を理解しておきましょう。投資する金融商品によって、利益の得られ方が異なります。

投資で利益を得る方法は、おもにインカムゲインとキャピタルゲインの2つです。

インカムゲイン|分配金・配当金が利益になる

インカムゲインとは、金融商品を保有し続けることで、継続的に得られる利益のことです。

インカムゲインは分配金・配当金が利益になる

株式を発行している企業が株主に還元する「配当金」や、債券で得られる「利子」、投資信託やREITの「分配金」、不動産の「家賃収入」などが該当します。

ただし、配当金や分配金は、すべての株式や投資信託で得られるわけではありません。

配当金や分配金を投資家に還元するかは、株式を発行する企業や投資信託の運用会社が決めます。また、業績や運用の成果によっても金額が変動するため、還元されるはずの銘柄であっても業績によっては支払われない場合もあります。

キャピタルゲイン|安く買って高く売ることで利益になる

キャピタルゲインとは、金融商品を買ったときよりも高く売れたときに得られる利益のことです。

たとえば、1万円で購入した金融商品を2万円で売れば、1万円の利益になります(手数料・税金を除く)。

キャピタルゲインは安く買って高く売ることで利益になる

キャピタルゲインは、株式や債券、投資信託、金、不動産、REIT、FX、仮想通貨などで得られる可能性があります。

【リスク・リターン別】投資の種類一覧

おもな投資の種類は、次のとおりです。

投資の種類一覧

投資対象となる金融商品には、それぞれリスクがあります。投資におけるリスクとは「リターンの振れ幅」を意味します。

リスクが大きい金融商品は、「大きく利益を得られる可能性も、大きく損失を被る可能性もある」ことを理解しておきましょう。

金融商品ごとのリスクとリターンの関係は、次のとおりです。

リスク・リターン別投資の種類とは

【ローリスク・ローリターン】投資の種類

ローリスク・ローリターンといわれるおもな投資の種類は、次のとおりです。

  • 債券投資

債券投資

債券とは、国や自治体、企業が、投資家からお金を借りるために発行する有価証券のことです。国が発行する債券を「国債」、自治体が発行する債券を「地方債」、企業が発行する債券を「社債」といいます。

債券は、あらかじめ返済期限を決めて発行され、保有期間中は、返済期限の満期日まで、債券の発行者から利子を受け取れます。返済期限の満期日(償還日)には、投じた全額、またはあらかじめ約束された金額を受け取ることが可能です(償還)。

償還日よりも前に、債券を売却して換金することも可能です。ただし、債券にも価格変動があるため、償還日よりも前に売却すると、元本割れする可能性もあります。また、発行者の財務状況によっては、損失が出る可能性もゼロではありません。

債券は、他の金融商品に比べると、比較的リスクが少ない金融商品のひとつです。

【ミドルリスク・ミドルリターン】投資の種類

ミドルリスク・ミドルリターンといわれるおもな投資の種類は、次のとおりです。

  • 金投資
  • 外貨預金
  • 投資信託
  • 株式投資
  • ETF(上場投資信託)
  • REIT(不動産投資信託)

金投資

金投資とは、金(ゴールド)に投資することです。

金の価値は日々変動しており、数十年前と比較すると大きく上昇しています。金そのものに価値があり、世界的にも価値が認められていることが大きな特徴です。そのため、インフレの影響を受けにくく、世界情勢が不安定なときに需要が高まりやすい傾向があります。

金は、証券会社や貴金属店で売買が可能です。

実物を自分で保管するかどうかは、証券会社や取引方法などによって異なり、証券会社が管理してくれるものもあります。現物を自分で管理する場合は、盗難のリスクに備える必要があります。

金以外にも、銀やプラチナへの投資もできます。

金投資には、株式の配当金や投資信託の分配金のようなインカムゲインが得られず、株式投資で得られるような株主優待もありません。

また、手数料が高いことも、資産運用の観点からいえばリスクは大きいといえます。

外貨預金

外貨預金とは、日本円を外国の通貨に換えて預けることです。

円預金同様に、預けている期間中、利息を受け取れます。選択する外貨によっては、円より金利が高く、円で預金するよりも多くの利息を受け取れる可能性があります。

また、日本円を外国の通貨に換えるため、為替レートによって資産の価値が上下することも特徴のひとつです。払い戻し時に、預入れ時よりも円安になっていれば利益を得られ、円高になっていれば損する仕組みです。

たとえば、1ドル=100円のときに預入れ、払い戻し時に1ドル=110円になっていた場合、1ドルあたり10円の利益を得られます。一方で、払い戻し時に1ドル=90円となったら、1ドルあたり10円の損失となります。

また、預入れ時(円から外貨)、払い戻し時(外貨から円)それぞれのタイミングで、為替手数料がかかることを念頭に置いておく必要があります。

投資信託

投資信託とは、投資家から集めたお金をプロが投資・運用する商品のことです。

投資信託ごとの運用方針にもとづき、国内外の株式や債券などに分散投資をすることが特徴です。

個人で株式や債券などをそれぞれ購入しようとすると、多くの資金が必要となります。しかし、1つの投資信託に投資すれば、少ない金額で複数の銘柄に分散投資できます。

分散投資は、価格変動リスクを抑えて運用するためにも重要な投資手法のひとつです。

常に変動する株価と異なり、投資信託は1日に1回基準価額が公表されます。常に価格変動を気にする必要がないため、投資初心者の方に向いているといえるでしょう。

なお、リスクとリターンの度合いは、銘柄によって異なります。

投資信託を購入する際は、投資信託説明書(交付目論見書)でファンドの目的や投資先、投資のリスクを確認することが大切です。

株式投資

「投資」というと株式投資をイメージする方も多いでしょう。

そもそも株式とは、企業が事業資金を調達するために発行するものです。その株式を購入し、運用するのが株式投資です。

株価が上がれば売却時にキャピタルゲイン、配当金を支払っている企業であればインカムゲインを得られます。さらに、株主優待制度がある企業であれば、保有株式数に応じて、その企業の製品やサービスを受けることが可能です。

成長を期待する企業の株式を購入するのももちろんのこと、応援したい企業の株式を購入したり、株主優待を目的に購入したりするのも、投資先を選ぶ方法のひとつです。

なお、株式投資では企業の業績によって株価が下落し、損失が出る可能性があることも認識しておきましょう。

ETF(上場投資信託)

ETFは投資信託のなかでも証券取引所に上場している投資信託を指します。

ETFと投資信託の大きな違いは、上場しているか否かです。投資信託は上場していないため証券取引所で取引できませんが、ETFは上場しているため証券取引所で取引できます。

また、取り扱っている金融機関も違いのひとつです。投資信託は銀行や郵便局などでも購入できますが、ETFは証券会社でしか購入できません。

購入できる商品数は、投資信託よりも少なめです。

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REIT(不動産投資信託)

REITとは、投資家から集めたお金で、オフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産を購入し、そこから生じる賃貸収入や売買益などを投資家に分配する商品のことです。「リート」と読みます。

不動産投資、特にオフィスビルや商業施設、マンションに投資するには、巨額の資金が必要です。しかし、REITであれば、少額で複数の不動産に投資できることがメリットです。

【ハイリスク・ハイリターン】投資の種類

ハイリスク・ハイリターンといわれるおもな投資の種類は、次のとおりです。

  • FX(外国為替証拠金取引)
  • 不動産投資
  • 暗号資産(仮想通貨)

FX(外国為替証拠金取引)

FXとは、外国為替証拠金取引のことです。

たとえば、1ドル=100円で購入し、1ドル=110円のときに売却した場合、1ドルあたり10円の利益を得られます。一方で、1ドル=90円のときに売却した場合、1ドルあたり10円の損失となります。これを100ドルで取引していた場合は、1,000円の利益、もしくは損失が発生する仕組みです。

FXでは、ドルだけでなくユーロや英ポンドなど、さまざまな外国通貨の売買が可能です。

さらに、FXではレバレッジと呼ばれるシステムを利用できます。

レバレッジとは、少ない資金で大きな金額を取引できる制度です。自分が用意した証拠金を担保に、最大25倍(個人の場合)の金額を取引できます。

たとえば、4万円を証拠金とした場合、最大100万円を取引できます。1ドル=100円で購入し、1ドル=110円で売却した場合、1,000万円の利益を得ることが可能です。ただし、1ドル=100円で購入し、1ドル=90円で売却した場合、1,000万円の損失になります。

このように、FXは投資のなかでもリスクが高い投資のひとつです。大きく利益を得られる可能性もあれば、大きく損失を被る可能性もあります。証拠金を大幅に超える損失が発生することもあります。

不動産投資

不動産投資とは、マンションやアパート、オフィスビルなどの不動産を購入して、家賃収入やテナント料などのインカムゲインを得る投資方法です。

購入したときよりも高く売って利益を得る(キャピタルゲイン)ことも可能です。

REIT(不動産投資信託)と異なるのは、投資家が直接不動産を購入することです。

不動産の購入には、最低でも数百万円、場合によっては数千万円といった巨額のお金が必要です。購入の際に不動産投資ローンを利用する場合は、ローンの返済もしていかなければなりません。

さらに、購入した物件の管理(委託も可能)や、不動産に関する多くの知識も必要となります。

暗号資産(仮想通貨)

暗号資産とは、インターネット上で売買できる電子的な通貨のことです。代表的な暗号資産は、ビットコインやイーサリアムなどがあります。

硬貨や紙幣などの現物があるわけではありませんが、暗号資産を使って商品の購入や、円・ドルなどの法定通貨と交換できることから、売買されています。

暗号資産の場合、銀行や証券会社といった金融機関では取引できません。暗号資産の交換所、取引所などの専用の事業者を利用する必要があります。

暗号資産は、安く買って高く売ることで利益を得られます。

ただし、暗号資産は値動きが大きい傾向があることから、価格が急落して大きな損をする可能性があります。取引所のハッキング被害により資産を失うなど、他の投資と違うリスクもあることを留意しておきましょう。

監修者コメント

金子賢司(かねこけんじ)

商品の選び方がわからないときは、自身のリスク許容度を確認しましょう。リスク許容度とは、どの程度投資リスクを受け入れられるかという度合いのことです。

初心者におすすめの投資の制度とは?

投資初心者の方には、数ある投資のなかでも、国の制度を活用して投資できるNISAとiDeCoがおすすめです。

NISA|月100円・1000円から始められる

NISAとは、投資で得られた利益に税金がかからない制度のことで、上場株式や一定の投資信託を運用できます。

通常の投資では、得られた利益に対して20.315%の税金がかかります。

たとえ10万円の利益を得られたとしても、税金が引かれることによって受け取れる利益が8万円ほどとなってしまいます。しかし、NISAを活用すれば、10万円をまるごと受け取ることが可能です。

NISAが初心者の方におすすめな理由は、少額から始められることと、任意のタイミングで売却できることです。

NISAは、毎月100円や1,000円などの少額から投資を始められます。

また、住宅購入や教育資金、老後資金などさまざまな目的で投資でき、目標金額に達成したタイミングや、まとまった金額が必要になったときなど、ご自身にあったタイミングで売却することが可能です。

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iDeCo|老後の資産形成に役立つ

iDeCoとは、自分で拠出した掛金を自ら運用し、老後の資産を形成するための年金制度のことです。

基本的に20歳以上65歳未満の方が加入できます。

老後の資金を形成するための制度であるため、原則60歳にならなければ引き出しできません。また、60歳で年金を受け取るには、通算加入者等期間が10年以上必要です。

iDeCoには、3つの税制メリットがあることが大きな特徴です。

  1. 掛金が全額所得控除
  2. 運用益が非課税
  3. 受け取り時も控除

拠出した金額は、全額所得控除となるため、所得税・住民税を軽減できます。拠出期間中は、運用益に税金がかからないため、効率的に資産を増やせる可能性があります。老後資金として受け取る際は、税金がかかるものの、「退職所得控除」または「公的年金等控除」によって大きく控除を受けることが可能です。

iDeCoの掛金は、毎月5,000円から1,000円単位で自由に設定できます。ただし、年金の加入資格により掛金に上限があります。自分がどの加入資格に該当するか、確認しておきましょう。

iDeCoで運用できるのは、「元本確保型商品(定期預金/保険)」と「投資信託」の2種類です。

iDeCoもNISA同様に長期間積み立てていけば、複利効果で資産を増やせる可能性があります。元本割れを絶対に避けたい方は、元本確保型商品を選択するとよいでしょう。

投資をはじめる前に知っておきたいこと

投資を始める際は、次の3点を押さえておきましょう。

  • どのような投資でも元本割れのリスクはある
  • 余剰資金から投資する
  • 長期間放置をしない

どのような投資でも元本割れのリスクはある

たとえローリスク・ローリターンの金融商品でも、元本割れをするリスクはゼロではありません。

各金融商品は、社会情勢や企業の経営状況によって、価値が上下することがあります。

ご自身の年齢や家族構成、保有資産、性格などを踏まえて、どの商品を選択すべきかを考えることが大切です。

たとえば、「資産がなくなってしまうのでは」と値動きが気になって仕事が手につかない場合は、自分のリスク許容度に合っていない投資方法といえるでしょう。

余剰資金から投資する

どの投資を行う場合であっても、生活費などの必要なお金を使ってしまうのは避けましょう。

まずは、生活などに必要なお金を確保したうえで、無理のない範囲で投資を始めるのが大切です。毎月積み立てていく投資信託、iDeCoなども同様です。

投資を始める前に、家計を見直し、毎月どれくらいの生活費がかかり、余剰資金が出るかを確認してみましょう。

長期間放置をしない

投資を始めた後は、長期間放置せず、定期的に見直しをすることが大切です。

たとえば、株式投資25%、債券25%、預貯金25%,REIT25%の比率で運用していたとします。

しかし、市場が好調で株式が著しく増えたことにより、いつのまにか株式50%、債券20%、預貯金10%、REIT20%のように、比重の偏った資産配分になってしまったということも起こり得ます。

資産構成が偏ってしまうと、自身の資産を想定以上に危険にさらすことになるため、定期的に見直しをするようにしましょう。

何から始めればわからない方はマネプラスへ

この記事で紹介してきたように、投資にはさまざまな種類があります。

初心者向けの制度としてNISAやiDeCoを紹介しましたが、そのなかでどの商品を選択すればよいか迷う方もいるでしょう。

マネプラスの各店舗では、資産運用はもちろん、保険や各種ローンなどのご相談が可能です。

平日は忙しくて来店が難しい方は、予約制の「土・日ご相談プラザ」&「土曜ご相談プラザ」をご活用ください。これから投資に挑戦してみたい方は、ぜひマネプラスに相談してください。

選べる2つの開設方法

投資の種類に関するよくある質問

Q.投資にはどのような種類がありますか?一覧で教えてください

A.

おもな投資の種類は、次のとおりです。


  • 債券投資
  • 金投資
  • 外貨預金
  • 投資信託
  • 株式投資
  • ETF(上場投資信託)
  • REIT(不動産投資信託)
  • FX(外国為替証拠金取引)
  • 不動産投資
  • 暗号資産(仮想通貨)

それぞれの特徴は、「投資の種類一覧」で詳しく解説しています。

Q.リスクが少ない投資の種類を教えてください

A.

リスクが少ない投資には、債券投資が挙げられるでしょう。

ただし、あくまでもリスクが少ないのであって、リスクがゼロであるわけではありません。

投資を始める際は、それぞれの金融商品の特徴を理解し、自分のリスク許容度に合った商品を選ぶことが大切です。

Q.ハイリスク・ハイリターンとはどのような投資ですか?

A.

ハイリスク・ハイリターンとは、「大きく利益を得られる可能性も、大きく損失を被る可能性もある」ということです。

具体的な投資の種類としては、次の投資が挙げられます。


  • FX(外国為替証拠金取引)
  • 不動産投資
  • 暗号資産(仮想通貨)

それぞれの特徴は、「【ハイリスク・ハイリターン】投資の種類」で解説しています。それぞれの投資の特徴を理解しておきましょう。

監修者コメント

金子賢司(かねこけんじ)

投資向けの金融商品はたくさんあるため、どれを選んだらよいか迷ってしまいます。投資初心者は、投資のプロに分散投資をお任せできる投資信託で、少額から始めてみると良いでしょう。