カードローンは住宅ローンの審査に影響する?完済すべき?利用のポイントを解説
カードローン契約中や、過去に借り入れをした経験がある場合でも、必ずしも住宅ローンの審査に影響するとは限りません。しかし、カードローンの返済を遅延や延滞したり、高額な借り入れがあったりする場合など、利用状況によっては審査通過が難しくなることがあります。
住宅ローンの審査通過の可能性を高めるには、住宅ローンの審査を理解したうえで、自身の借入状況を把握・整理するなどの対応が重要です。
この記事では、住宅ローンの審査のポイントやカードローンの利用が審査に影響するケース、審査の対策方法などを詳しく解説します。
- 住宅ローンの審査では属性情報と信用情報に加えて担保情報や返済比率が確認される
- 使用していないカードローンやクレジットカードは住宅ローン審査前に解約しておくことが望ましい
- 審査に通過しなかった場合は信用情報の開示請求を行うことで理由を予想できる場合がある
- 監修者からのコメント
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カードローンを完済していても、解約していない場合は、住宅ローンの融資額が減額となるケースもあるようです。使っていないカードローンなどは住宅ローンを申し込む前に解約しておくようにしましょう。
目次
OPENカードローンと住宅ローンの概要と違いを理解しよう
カードローンと住宅ローンの利用を検討するにあたって、まずはそれぞれの特徴や違いを確認しましょう。
カードローン:使い道が自由な個人向けの融資サービス
カードローンは、銀行や消費者金融などが提供する個人向けローンサービスです。利用者は借りたお金の使い道を自由に決められるため、利用目的が住宅購入やリフォームなどの住宅に関するものである住宅ローンとは商品性が異なります。
カードローンは、申込みをして審査を通過すると借入限度額が設定されます。借入限度額の範囲内であれば繰り返し借り入れが可能です。
比較的少額の借り入れに利用されることが多く、適用金利は一般的に住宅ローンよりも高めに設定されます。
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住宅ローン:住宅購入など目的とした融資サービス
住宅ローンは、銀行などの金融機関が提供する、住宅購入やリフォームに特化した融資サービスです。利用者は不動産を担保として、資金を借り入れられます。
住宅ローンは一般的に、数年から数十年にわたる長期の返済期間を設けています。返済は毎月行われ、元金と利息を支払っていく仕組みです。
借入金額が高額なことが多く、担保を提供するため、カードローンに比べて金利が低めに設定されます。
カードローンを利用していると住宅ローンの審査に通らない?
住宅ローンは多額の融資を伴うため、金融機関は「申込者が問題なく返済できるか」を審査で慎重に判断しています。審査では申込者のカードローン利用状況も確認されるため、カードローンの利用が住宅ローンの審査に何らかの影響を与える可能性もあります。
しかし、カードローンを利用しているからといって、住宅ローンの審査に必ずしも通らないわけではありません。住宅ローンの審査では、申込者の信用情報や返済能力が総合的に評価されます。そのため、カードローンの利用が審査に影響を与えるかどうかは、借入残高や返済状況などにより異なります。
住宅ローンの審査のポイント
住宅ローンの審査ではどのような点が見られるのでしょうか。審査のポイントを見ていきましょう。
属性情報:申込者の年収や勤務先、本人の家族構成に関する情報
カードローンと同様に、住宅ローンの審査でも属性情報が確認されます。属性情報には、申込者本人および家族構成に関する情報が含まれます。
属性情報の例
- 年齢
- 就業形態(公務員、正社員、契約社員、アルバイトなど)
- 勤務先情報(勤務先の規模など)
- 勤続年数(入社年月日)
- 年収
- 家族構成(扶養家族の有無など)
- 住まい(賃貸、寮など)
- 家賃・住宅ローン返済額
など
金融機関はこれらの情報をもとに、「申込条件を満たしているか」「返済能力に問題がないか」を判断します。
信用情報:クレジットやローンの申込みや契約に関する情報
信用情報は、クレジットやローンの申込みや契約に関する情報で、客観的な取引実績を示すものです。
個人の信用情報は、国が指定する信用情報機関によって記録・管理されています。金融機関は住宅ローンの審査の際に、信用情報を参考にして申込者の信用度を評価します。
信用情報の例
- カードローンの申込みや返済状況
- クレジットカードの支払状況
- 携帯電話を分割購入した際の支払履歴
など
金融機関は申込者の同意のもと信用情報を確認するため、申込時に申告されていなくても、過去のローンやクレジットの利用状況を把握できます。信用情報には返済の遅延に関する情報も含まれるため、過去に支払いの遅延や延滞があると、審査に影響を及ぼすこともあるでしょう。
担保情報:担保とする不動産の情報
住宅ローンを利用する際は、一般的に購入する不動産を担保に設定する必要があります。そのため、担保となる土地や建物などの詳細情報も審査において重要な項目です。
住宅ローンを申し込む際は、購入予定の物件の所在地や価格などがわかる書類や、不動産会社に関する書類などの提出が求められます。これらの情報をもとに、金融機関独自の基準で審査が行われる仕組みです。
返済比率:年収に占める年間のローン返済額の割合
住宅ローンの審査では「返済比率」も確認されます。返済比率とは、年収に占めるローン返済額の割合のことです。
返済比率は「年間返済額÷年収×100」の式で計算され、たとえば年収が400万円で年間返済額が100万円の場合、返済比率は25%です。返済比率の計算には、住宅ローンだけでなくカードローンやキャッシングなどの他のローンも含まれます。
「返済比率がどの程度であれば審査に通過できるか」といった判断基準は金融機関によって異なりますが、収入に対して毎月の返済額が多い場合は、審査に不利に働く可能性があることを認識しておきましょう。
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カードローンの利用が住宅ローンの審査に影響するケース
カードローンの利用が住宅ローンの審査にどのような影響を与えるのか、考えられるケースを見ていきましょう。
カードローンの返済を遅延・延滞したことがある
現在のカードローンの返済状況に加えて、過去に返済を遅延・延滞した履歴がある場合も、住宅ローンの審査に影響を及ぼす可能性があります。過去の遅延や延滞の履歴は、新規の住宅ローンの利用においてもリスクがあると見なされるためです。
遅延や延滞に関する情報は、カードローンの契約期間中および契約終了後5年以内に限り、信用情報機関に記録されます。つまり、近年中に遅延・延滞の経験がなくても、過去5年以内にそのような履歴があれば審査に影響することもあるでしょう。
さらに、延滞・遅延を繰り返した結果、カードローンを強制解約された経験がある場合も、審査に通過しにくくなる要素となります。
カードローンの借入金額が多い
金融機関は、申込者の債務状況を慎重に評価しています。カードローンの借入件数や借入金額が多い場合、住宅ローンの審査に影響を与える可能性が高いです。
借入金額が多いと返済比率が高まるため、「住宅ローンの返済能力に影響を及ぼす可能性がある」と判断されることもあります。
カードローンの借入枠を持っている(解約していない)
カードローンを契約すると「借入枠(借入限度額)」が設定されます。現在カードローンで借り入れを行っていなくても、解約せずに借入枠だけが設定されたままの場合、住宅ローンの審査に影響を及ぼす可能性があります。
特に契約中のカードローンの借入枠が多い場合、現在は借入残高が0だったとしても、金融機関は申込者が将来的に追加で借り入れをするリスクを懸念するかもしれません。たとえば、過去に完済したカードローンが複数存在し、それらに借入枠が残っている状態では、審査に影響を与えることがあります。
カードローン利用者がやっておきたい住宅ローン審査の対策
カードローンの契約がある状態で住宅ローンに申し込む場合、審査通過の可能性を高めるために、次の4つを行っておきましょう。
住宅ローンの審査対策
- 現状の借入状況を整理・把握し、返済比率を試算する
- 無理のない範囲で借り入れを完済する
- 完済証明書を発行する
- 使っていないカードローンやクレジットカードを解約する
現状の借入状況を整理・把握し、返済比率を試算する
住宅ローンに申し込む前に、まずは自分の現在の借入状況を把握することが重要です。カードローンを含むすべての借入残高、毎月の返済額、完済までの期間などの情報を整理しましょう。
収入に対して毎月の返済額が多い場合は、住宅ローン申込前に既存の借り入れの返済に注力することが賢明です。
無理のない範囲で借り入れを完済する
資金に余裕がある場合は、無理のない範囲で借り入れを完済することを検討しましょう。借入金額が減少することで、住宅ローンの審査で有利になる可能性が高まります。
カードローンの借入残高が少なく、所有している資金で全額返済することが可能な場合は、毎月の返済を続けるのではなく、一括返済で完済させることが有効です。一括返済が難しい場合は、返済期間をできるだけ短くするために、繰り上げ返済を検討するのもよいでしょう。
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完済証明書を発行する
カードローンを完済した際は、金融機関から完済証明書(残高証明書)を発行してもらい、住宅ローン申込時に提出すると効果的です。完済証明書は、ローンが完済された事実を客観的に証明できる重要な資料です。
完済した直後は信用情報にその情報が反映されない場合があります。そのため、カードローンを完済してすぐに住宅ローンを申し込む場合は、特に完済証明書が役立ちます。
使っていないカードローンやクレジットカードを解約する
完済後、新たに借り入れを行わないカードローンや、利用していないクレジットカードは解約しておくとよいでしょう。使っていないカードローンやクレジットカードは、金融機関にとって追加の借り入れを行う可能性を示唆する要因となります。
過去にカードローンを利用したことがある人は、完済しても解約が完了していない場合があるため、解約が適切に行われているか確認することも重要です。
クレジットカードは、ショッピングだけ利用しているのであれば、複数枚所有していても審査に大きな影響はありません。ただし、キャッシング枠が付帯されたクレジットカードの場合は信用情報に影響するため、現在使用していないのであれば解約しておくことが望ましいです。
住宅ローンの審査に通らなかった場合はどうする?
住宅ローンの審査を通過できなかった場合、まずは自分の信用情報を開示してもらい、どのような記録が残っているのか確認してみるとよいでしょう。
信用情報機関に保管されている情報は、手数料を支払うことでインターネットや郵送を通じて開示を受けることが可能です。この情報を通して、たとえば意図せず残っていたカードローンの契約や、数年前の支払遅延の記録など、審査に影響を与えた可能性のある情報を知ることができます。
信用情報機関の情報開示に関する詳しい内容は、各信用情報機関の公式WEBサイトをご確認ください。
カードローンと住宅ローンに関するよくある質問
Q.カードローンがあると、住宅ローンを組むことはできませんか?
A.
カードローンを利用しているだけで住宅ローンの審査に通らないとは断言できません。利用状況に問題がなければ、住宅ローンを組めるケースもあるでしょう。ただし、借入金額が多い場合や、過去に延滞や遅延していた場合、住宅ローンの審査に通らない可能性があります。
Q.カードローンの利用が、住宅ローンの審査で家族に知られることがありますか?
A.
住宅ローンの審査では、信用情報機関の情報をもとに借入状況などを確認しています。借入状況が郵送などで自宅に送られることはないため、同居の家族に知られる可能性は低いでしょう。
Q.住宅ローンを組んだ後にカードローンを契約することはできますか?
A.
住宅ローン契約後でも、カードローンの契約が可能です。ただし、住宅ローンとカードローン両方の返済を行うことになるため、利息を含む支払総額や毎月の支払いやどれくらいになるか把握したうえで慎重に契約することが重要です。
Q.カードローンでの借り入れを住宅ローンにまとめることはできますか?
A.
カードローンの借り入れを住宅ローンにまとめることはできません。住宅ローンは「目的別ローン」のひとつであり、資金使途を住宅の購入などに必要となる費用のみに限定しているためです。
Q.住宅ローンの審査に落ちた原因を知ることはできますか?
A.
住宅ローンの審査に通過しなかった場合、明確な原因を知ることはできません。信用情報機関に開示請求を行い、開示された信用情報から審査に影響する項目を予想できる可能性はあります。